最近、Gmail関係の記事などを見ても、検索ベースのメールクライアントという考え方が浸透してきている気がしますが、専用クライアントを使った場合の検索ベースの使い勝手はどうなんでしょうか。ブラウザでアクセスする場合にはそもそもブラウザの一覧性の悪さを考えると検索ベースの方が良いというのは分かるのですが、専用クライアントの場合、ブラウザよりも比較的一覧性が良いので結構微妙ではないかという気がします。もっとも極端にメールが増えてくると一覧性はどんどん落ちてくるので検索ベースの方が有利になってくるのは間違いないでしょう。
ところで、私が検索ベースのメールクライアントという発想を初めて見たのはNotesでした。Notesメールの場合、人にもよるのでしょうが、フォルダに振り分けるというよりは検索条件を指定したビューを作って必要ならそこで見るというのが普通でしたし、必要なメールを探すときには全文検索するのが当たり前だった気がします。逆にいうと、自分でビューを定義したり、フォームをカスタマイズする程度の技術力がないと使いにくいソフトだったのかも知れません*1。
日本ではパーソナルノーツというNotesサーバに繋がないでPOP3やIMAP4のメールクライアントとして使ったり、必要なデータベースを作って自分の情報を管理するためのノーツ*2を売っていたことがありますが、今から考えるとコンセプトとしてはかなりいい線をいっていたのではないかと思います*3。最もノーツの場合、UIがあまりにもWindows標準とかけ離れていたり*4、そもそもそれほど使いやすいUIでもなかったという点が私にとってはかなりネックでしたが。
QMAILにだいぶ前から検索フォルダがあるのもこの辺の影響が大きいです。もっともQMAILの検索フォルダはあまり速くないので*5フォルダに振り分けずに検索フォルダだけで運用するのはちょっと辛いかもしれません。Windows CEを無視すれば、メモリをもうちょっと潤沢に使ってインデックス情報をしっかり持って(とかバックエンドにRDBを使って)検索フォルダの機能強化もできるのでしょうが、さすがに今のWindows CEのスペックだと結構厳しいですね。
振り分けって目的のメールを探しやすくするってもあるけれど、それ以上に整理の意味合いが強いような気がする。メーリングリストはこのフォルダにズラッと並べた方が気持ちいい(逆かも。個人宛メールとメーリングリストのメールが同列に並んでいるのが気持ち悪い、とか)みたいな。って考えると、検索がどれだけ速くなっても、やっぱり振り分けも必要かなあだと思ったり。Inboxのテンポラリ化反対! みたいな。よくわかんないけれど。<br>1つのメールを複数のフォルダ(ビュー?)から参照するような使い方だと、今のQMailの検索フォルダみたいなやつの方が便利なんだけどねえ。<br><br>関係ないけれど、QMailの検索UIの強化を希望。ToとかFromとかCc、Subjectってチェックボックスがあって、それにチェックを入れると、ヘッダの当該項目だけを検索対象にする、みたいなの。マクロ使えって話だし、前も言って却下された気もするけれど(^^;
検索UIの強化に関しては、<http://q3.snak.org/bts/guest.cgi?project=Q3&action=view_report&id=622>に追加しておきました。具体案があったら書いておいてください。